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1本40ドルの鉛筆
1930年代にエバーハード・ファーバー社が発売したブラックウィング602は多くの著名人に愛用され伝説の鉛筆と呼ばれました。
グラミー賞、エミー賞、ピューリッツァー賞など名だたる賞の受賞作品にも、ブラックウィング602から生み出されたものは多数あります。
ジョン・スタインベック、スティーヴン・ソンドハイム、レナード・バーンスタインらは作品の執筆にブラックウィング602を好んで使っていたことが知られています。ウォルト・ディズニーやチャック・ジョーンズも、ブラックウィングを愛用し、サンフランシスコのThe Walt Disney Family Museumに展示もされました。
長い年月を重ねてユニークな長方形の消しゴム付き鉛筆は上質の代名詞と言われるまでになりました。しかし、度重なる企業買収の結果ブラックウィングは1998年に生産中止を余儀なくされ、ブラックウィングを求めるファンによりeBayでの価格は1本40ドルにまで高騰しました。
伝説の鉛筆の復活と社会に問いかけるもの“Go unplugged”
そんな中、パロミノブランドの鉛筆の品質がブラックウィング602と非常に近いということがファンやアーティストたちの間で囁かれはじめます。
パロミノブランドのメーカーであるCCPCは2010年、カリフォルニア産のインセンスシーダーと日本製の高品質な芯を結び付け、ブラックウィングの復刻を成し遂げました。復刻されたブラックウィングはユーザーやメディアの注目を浴びて絶賛され、今日では世界中の500を超えるショップで販売されています。
ブラックウィングを復刻したCCPCでの鉛筆事業のはじまりは19世紀半ばまでさかのぼります。以来、今に至るまでに築かれたサプライヤーやアーティスト達との素晴らしくユニークな関係性によって、事業は美術やライフスタイルの領域にまで広がりました。復刻されたブラックウィングにもその要素は生かされ、様々な文化・芸術・社会的出来事と鉛筆を結び付けることに成功しました。
また、ブラックウィングの売上の一部はアメリカのこども達の芸術・音楽教育のために寄付されています。ブラックウィングは筆記具の枠を超えひとつのカルチャーとなったと言えるでしょう。
デジタルに溢れたこの時代に、少し立ち止まってスローダウンしてみよう、“Go unplugged”をブラックウィングは提案しています。