150年のあゆみ
HISTORY
ルーベン・アイザックス(Reuben Isaacs)が弟のイスラエル・アイザックス(Israel Isaacs)と共に横浜の外国人居留地(山下居留地。現・横浜市中区)にて貿易業を始める。
・薩長同盟成立
12月2日、ルーベンの息子であるシグマンド・アイザックス(Sigmund Isaacs)がアメリカ・カリフォルニア州で誕生。
・徳川慶喜が第15代征夷大将軍に就任
・パリ万国博覧会開催
ルーベンとイスラエルがR・アイザックス兄弟商会(R.Isaacs & Brother)として横浜居留地にて設立登記。本格的にビジネスを開始。
当時、特に貢献したのはスイスからの時計輸入であった。
後に時計王と呼ばれた、セイコー創始者・服部金太郎の伝記小説(※)の中に「アイザック兄弟商会」として社名が登場する。
※若山三郎(1993)『セイコー王国を築いた男 小説・服部金太郎』p89,青樹社.
・王政復古の大号令
・戊辰戦争開戦
・明治天皇即位
神戸居留地(現神戸市中央区)にてR・アイザックス兄弟商会の神戸支社設立。
R・アイザックス兄弟商会の当時の帳簿が横浜開港資料館(横浜市中区)に現存する。
著作者・出版社不明(1886)『The illustrated japan directory』に以下の様な記載がある。
“R.Isaacs & Bros. NY – 623 Broadway, N.Y.
R.Isaacs & Bros. Yokohama – 195 Yokohama
R.Isaacs & Bros. Kobe – 50 Kobe”
・シドニー万国博覧会開催
・エジソンが白熱電球を発明
シグマンドが24歳で初来日。R・アイザックス兄弟商会へ入社。
・日本鉄道上野 青森間開通
シグマンドが日本レース・クラブ(現・JRA)に委員として加わる。後に初代理事長を務めることになる。
シグマンドは本業である輸出入業で辣腕をふるうかたわら日本競馬界の様々な組織で理事長を歴任するなど競馬の発展に貢献。彼のことを「King of Turf」と賞賛する声もあった。馬主としても天皇賞の前身である帝室御賞典での優勝(1925年11月8日、ラレード号)など多数の大レースを制した。競馬界での仮定名称は「ステーツ」。
・シカゴ万国博覧会開催
・米国金融恐慌
・君が代が文部省により制定
ルーベン・アイザックス退職。
シグマンドが36歳で事業を継承。
社名をR・アイザックス兄弟商会から、エス・アイザックス商会(S.Isaacs & Co.)へ変更。
1919年の記録によると当時のエス・アイザックス商会は日本でも有数の輸出入商社であった。取り扱い商材は多岐にわたった。
また当時の日本で最大規模の紳士用品製造工場を保有した。
■当時の主な取り扱い商材
【輸出業】絹・綿類/製品 農業用品 薬 化学薬品 骨董品 など
【輸入業】鉄 原皮類 化学薬品 一般雑貨類 など
【代理店業】デュポン(アメリカ) コティ化粧品(フランス) キングジョージ・ウイスキー(イギリス) パラタイン保険(イギリス) コンマーシャル・ユニオン保険(現・コマーシャル・ユニオン/イギリス) など
・ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功
・タイタニック号が沈没
・ストックホルムオリンピック(第5回夏季オリンピック大会)開催 日本オリンピック初参加
・元号が大正に改号
1914年~1918年 第一次世界大戦の勃発
9月1日、関東大震災発生。エス・アイザックス商会でも14名の従業員が犠牲となる。
池上本門寺(東京都大田区)に慰霊碑が建てられている。
・関東大震災発生
シグマンドは関東大震災によって半壊していた根岸競馬場の新スタンドを、知人であり建築家のアメリカ人ジェイ・ハーバート・モーガン(Jay Herbert Morgan)に設計するよう依頼。
モーガンは日本最初の高層ビルである「丸ビル」建設のため1920年に来日していた。
1930年に完成したこの新スタンドは大倉土木株式会社(現・大成建設株式会社)の施工による日本で最初の鉄筋コンクリート製建造物となった。
このうち一等馬見所は経済産業省により2009年に近代化産業遺産として認定され根岸競馬場跡(横浜市中区)に現存する。
・小田急江ノ島線、相模大野駅 – 片瀬江ノ島駅間開通
・アメリカ合衆国、ハーバート・フーヴァー大統領就任
シグマンドが最後の理事長を務めていた日本レース・クラブが解散。
初代の日本競馬会(現・JRA)横浜競馬場長に就任。
・日中戦争勃発
・パリ万国博覧会開催
・ヘレン・ケラー来日
8月、シグマンドは日本における洋式競馬の発展に長年寄与した功績を讃えられ日本競馬会理事長の安田伊左衛門より感謝状を授与。
日本競馬会横浜競馬長退任。
この頃は関東大震災後に移ってきた横浜市中区山下町92で事業を行なっていた。
その後まもなく日米関係悪化に伴いシグマンドはアメリカへ一時帰国。
・敵性語追放運動
・勤労所得の源泉徴収開始
前年に開戦された太平洋戦争に伴い日本政府は在日外国人の財産を没収する「敵産管理法」を施行。それにより4月11日、エス・アイザックス商会に属する全ての財産が没収された。
またシグマンド個人の財産も没収され所有していた全ての競走馬や厩舎といった競馬財産も競売に付された。
厩舎はその後、日本中央競馬会の宇都宮育成牧場として利用され現在ではその跡地に競走馬総合研究所(栃木県下野市)が設置されている。
・ミッドウェー海戦
1945年 太平洋戦争終戦
・日本国憲法施行
・労働基準法公布
・東京都が23区制に移行
シグマンドを慕っていた元役員の小倉金蔵が「何もかも戦争で失ったが、せめて社名だけでも継承するのがシグマンドに対する敬意の証」と誓い横浜にて日本法人を設立。
その後、業務の強化を図るため蒔田(横浜市南区・現在は倉庫として利用)から東銀座(東京都中央区)に移動。
2月3日、100%日本法人の株式会社エス・アイザックス商会(S.Isaacs & Co., Ltd.)を設立し再発足させる。
■当時から2000年ごろまでの主な取り扱い商材
【輸出業】豚皮(オランダ) シュートゥリー シューズブラシ
【輸入業】輸入住宅(アメリカ)アリゾナ砂岩(アメリカ)スレート(アメリカ)ドイツ粘土(ドイツ)鉛筆製造用機械(アメリカ、ドイツ)建築用ガラス インテリア用ガラスブロック ボーイング747用コクピットガラス フロッピーディスク製造機 プリント基盤関連機器 エクステリア用木材(カリフォルニアレッドウッド)故紙(ニュージーランド、アメリカ)生ゴミ処理機 クレイ(黒鉛)
・東海道本線東京-大阪間で「こだま」が運転開始
・東京タワー完工
・国民健康保険法公布
小倉金蔵の長男である小倉忍が株式会社エス・アイザックス商会に入社。
・東京都の常住人口が1000万人を突破(世界初の1000万都市に)。
・プエルトリコがアメリカ合衆国領となる
・ビートルズレコードデビュー
小倉金蔵が他界。享年89歳。事業は小倉忍に継承。
・国際科学技術博覧会(つくば’85)開催
子会社「株式会社コロニルジャパン」を設立。
・英チャールズ皇太子とダイアナ妃が来日
・ハレー彗星が76年ぶりの地球接近
・チェルノブイリ原子力発電所事故
小倉忍の長男である小倉希が株式会社エス・アイザックス商会に入社。
・ユーロ紙幣とユーロ硬貨の流通開始
・FIFAワールドカップ 日韓大会
7月、株式会社エス・アイザックス商会東京本社を墨田区両国に移転。
・iPhoneの初代モデル発表
・郵政三事業民営化
5月、大阪市北区に株式会社エス・アイザックス商会大阪営業所設立。
・ドバイに世界一の超高層ビル、ブルジュ・ハリファがオープン
・バンクーバーオリンピック(冬季)開催
小倉忍が代表取締役会長に就任。
小倉希が代表取締役社長に就任。
・ソチオリンピック(冬季)開催
・FIFAワールドカップ ブラジル大会